民間救急

令和6年能登半島地震派遣|中間活動報告

1月3日から石川県へ車両及び人員を派遣し、早くも1か月が経過しました。

今回はこれまでの活動内容を報告させていただきます。

現在も、全民救患者搬送協会(全民救)として発災直後から日々の活動に携わらせて頂いております。

~災害発生直後(1月上旬)~

DMATから全民救への要請により、各加盟事業者に車両及び人員の災害支援要請があり、弊社からは車両2台、人員5名にて石川県庁へ向かいました。

その後、弊社は全民救本部の構築、車両の調整を開始し、本部人員と搬送対応人員に分かれ、活動が始まりました。

災害発生直後は、地震による道路の崩壊により各所で通行止めが発生し、高速道路も利用できず、ニーズの多かった珠洲市や輪島市等の県北地域から2時間ほどで金沢市内へ到着できる経路に約7時間を所用。

道を走れば消防や自衛隊の緊急車両ばかり目にする中、ライフラインが停止した施設や病院から金沢市内への搬送に対応しました。

重傷者も多く、長時間の搬送は患者様の様態にも影響が多いので、随時様子を伺いながら、医療行為や介助を行いながらの搬送でした。

災害の被害にあわれ、住み慣れた場所を離れるだけで不安も大きかったことかと思います。

患者様の気持ちにも寄り添いながら、あたたかい場所へ。必要な医療処置が届く病院へ。一人でも多くの患者様を搬送させて頂きました。

また、調整する本部とのやりとりや道路状況の確認も電波状況が悪く、各車両で情報共有しながら通行可能な経路を把握していきました。

~1月中旬ごろ~

ようやく少しづつ体制が整い、本部では継続してDMATから入ってくる搬送依頼に対し、必要な医療処置や資機材、人員を考慮しながら配車します。

中には珠洲市から11台の車両が連なり、最後尾には急変時にも対応できるようDMAT車両が追走しての搬送もありました。

全民救全体で1日に約30人ほどの搬送を行う日々でした。

また、石川県立中央病院にてトリアージ実施後の患者様を、金沢市内の選定先の病院へ搬送する事例や、金沢市内の指定ヘリポートまで自衛隊ヘリにより搬送された患者様を、自衛隊や消防、DMATと連携し選定先の病院へ搬送する事例もありました。

~1月下旬ごろから現在~

ようやく道路状況がやや改善し、高速道路も利用できるようになるなど、積雪の影響はありますが搬送にかかる時間も短縮されてきました。

1日あたりの搬送件数も徐々に落ち着き、現在は避難所などから県外の施設への入居者の搬送が増えてきています。

弊社と同じように、発災直後から継続して活動している業者様や、お仕事の合間の週末に活動に参加される車両など、今もなお継続した支援体制が整えられています。

弊社の車両と人員も徐々に縮小していますが、それだけ必要とされる患者様が無事に少しでも安心できる場所へたどり着けたということだと思います。

今のところ今月は活動の予定が決まっておりますので、私たちができることを考えながら、少しでも多くの患者様を搬送させていただきたいと思います。

各被災地域のいち早い復興を願って。